
毎年九月第二日曜に八王子神社の昔宵宮の祭礼をされている大和郡山市宮堂町。
神社の祭祀をしきる五人の長老衆と一年神主がこれを担う。
昼すぎ、玄関に注連縄を張ったトヤ家に長老らが集まってくる。
そのころ境内では呼び太鼓を叩く子どもたちが集まってくる。
右側の本殿が八王子神社でその前にはゴザを敷いて祭祀に使われる太鼓、拍子木、鉦などが置かれている。
左側は天満宮で10月の秋祭りはこのお宮さんの祭祀になる。
拝殿の側に古い釜と20本の笹を束にしたものが二組。
それに藁束が立てられている。
これは平群三郷町から招いた巫女が御湯立て神事の際に使う道具だ。
平服姿でトヤ家を出幸した一行は大御幣を持つトヤを先頭に長老衆、神主、巫女の列で宮入りする。
本殿に御神酒と大きな器に盛った御供モチが供えられている。
昔宵宮の神事は神主の祝詞奏上から始まった。
次に大御幣を持って左右に振る神主。いわゆる奉幣振り神事だ。
トヤも同じ所作で三振りの奉幣振りが行われた。
そのあとは二人の巫女が鈴を手に持って舞う。
リズムをとるように鉦はシャンシャン、太鼓はドンドンドン、拍子木をカチカチと鳴らしている。
神の御前に立つや、たが乙女と発声する巫女は2本の剣に持ち替えて舞う。
そして列席者の頭に鈴をかざして「祓えたまえ 家内安全祓えたまえ 水難、交通事故、身体堅固祓えたまえ」と発声する。
これらの神事を終えると拝殿に登って祭祀の場を移す。
一人の巫女は拝殿中央に、もう一人の巫女は湯立て釜前に位置する。
そのころには村の人が小さなお盆に乗せたご祈祷料を抱えて次々と神社に集まってきた。
拝殿で祈祷料の受付を済ませると数人の組ごとに祈祷が始まった。
最初に鈴祓えで神事と同様に鉦、太鼓、拍子木が打ち鳴らされる。
「祓えたまえ 家内安全祓えたまえ」と祈祷される。
それを終えると御湯立ての前に移動する。
サンバイコを腹に巻き付けた巫女は笹でお湯をシャッと切るように祓う。
厳粛に行われた祓えを済ませるとお盆には御供モチが収まっている。
これら一連の祓えは村の人がいなくなるまで続けられる。
昔宵宮は、まるで村中の安全を祈願したようにも思える祭礼で、市内行事の中でも際だった形態だ。
(H21. 9.13 SB912SH撮影)