
村神主のHさんに今日が祭礼だと聞いていた奈良市田中町の頭家祭は都合で先週に終わっていた。
2年前は頭家主だった村神主さん。
当時の写真などを拝見させていただきながら祭礼のお話を伺った。
前日に「崇道さま」と呼ばれる崇道天皇の社を一番頭家子の門口に建てる。
向きは東、または南向き。
芝生を張り杉葉で覆い鳥居を立てる。
頭家祭当日に大きな桶に柳の箸二膳を添えて、素焼きの器に盛った洗米、開きのカマス二尾、サトイモ五個、新ショウガ2房、青豆五粒、お神酒を供える。
町内の氏神さんである八王子神社へは中くらいの桶に入れて供えられる。
柳生から宮司さんを迎えて、呼び使いを受けた七人衆、自治会長、神社係は一番頭家子の家に集まる。
ひといきつけたのち一番頭家児とともに並んだ父親の挨拶口上を受ける。
かつては生まれた順に座入り登録された一番頭家、二番頭家、三番頭家、四番頭家の四人だった。
制度改定で養子も座入りしていた昭和49年ころ、登録順なら生きている間に頭家に当たることが難しいと意見がだされて年齢順に替わったそうだ。
少子化で子どもが少なくなり、村神主さんが頭家を勤められたときは息子さんが一番頭家で、二番頭家はお孫さんが担った。
祟道さまの祭礼には一番頭家が御幣を左右に振る奉幣神事(結崎の糸井神社で見られる奉幣振り神事と同様な)が見られる。
そして、一行はふたりの頭家子が先頭に御幣を持って八王子神社へお渡りをする。
神殿での祭礼でも奉幣神事が執り行われたのちは会所に舞台を移す。
白衣を着用するのは七人衆の4番目にあたる村神主と頭家子。
他の者は礼服になっている。
決められた席に着座すると、頭家子の父親はお神酒を注ぎ、柳の箸でコンブとカマス切り身を紙皿に添えていく。
配膳が整えば父親が接待役となって直会の場となる。
数時間の宴の場を終えた頭家子と父親は太鼓をドンドンドンと打ち鳴らして「座 すんだ」と声をかけて町内を巡回する。
昔はトビウオを村中に配っていたという頭家祭は本来、崇道天皇さまの祭礼で、八王子神社へ参るのは頭家になったことを奉告することが加わったものと考えられる。
(H20.10.26 Kiss Digtal N撮影)